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代表笹森 6月コラム

更新日:2021年7月13日

 アノネミュージックフェスティバルの第一次参加選択期間が締め切られました。子どもたちの合唱や楽器演奏とオーケストラの共演による映像作品を制作し、年度末の3月25日(金)には「スペシャルコンサート」と題して、ホールで*その作品の上映と、講師陣の生演奏をお届けするという特別授業です。

*配信も行われる予定です。

 

 このご時世に合わせた内容とした結果、これまでにない形態の特別授業となったため、実はどこまでご参加いただけるか不安な気持ちもありました。しかしそれは杞憂に終わり、任意参加としている3月のスペシャルコンサートにも、複数開催になるほど多くの方にお越しいただける運びとなりました。この場を借りて心から感謝申し上げたいと思います。また、スペシャルコンサートの開催数や映像作品の編集方法の調整を行って、第二次募集を開始することも考えております。今後は、情勢にあわせて検討されたいという方にもご参加いただけるよう尽力いたします。ご家族分のスペシャルコンサートのチケットについても、運営方法を検討したのち、追加販売の機会を設けられるよう調整できればと思いますので、いましばらくお待ちください。


 さて、6,7月は個人実技レッスンの検定試験月間です*。教室で演奏する姿を撮影し、その動画を提出して合否通知や講評を受け取ることで、ステップアップできる機会です。私の門下でも毎年多くの子が受験します。一人ひとりにドラマがありますが、子どもたちにとってたった一回の本番の機会から得られるものは本当に多いなと、毎度強く感じます。

*一定の年齢や継続期間に達している方が対象です。


 先週の土曜日には、同じ課題曲で受験(撮影)する生徒が5人もいました。下は年長さんから上は中学生まで。これが非常に興味深く「年齢が下なのにこの曲が弾けてすごい」とか、「年齢が上だから上手い」ということではなく、各年齢で技術の活かし方や表現方法が異なり、同じ曲目なのに全く違う作品かのようだったのです。それぞれの表現で演奏できていたことに、とても意義を感じました。


 音楽のお稽古は学校の勉強と違って、その学年で習得しておくべき範囲の基準となる「学習指導要領」のようなものはありません。先述したように、皆始める年齢が異なるため、異学年が同じ曲を弾いているということはごく当たり前のことです。そして、それぞれに合ったペースで進められることもまた、音楽のお稽古の良さでもあると思うわけです。「掛け算ができないままで3年生になる」というような状況にはなり得ませんし、落ちこぼれを生まない習い事ともいえます。


 私の門下では規定の教本が終わった子もいますが、つくづく思うのは曲の「進度」より、譜面を読み込む「深度」の方が遥かに大切だということです。今回も、年長さんがその年齢で精一杯弾いた演奏と、上級生のお兄さんたちがそれぞれの年齢で気がついたことを意識して弾いた演奏がありましたが、どちらも立派なものでしたし、労いの拍手を心から送りたい気持ちになりました。


 さて、今回お伝えしたいのは、ぜひこの機会にいつでも弾けるレパートリー曲を持とう!ということです。子どもたちが音楽を続けていく上で「パッと演奏できる曲」があるかないかで大きく人生が変わるといっても過言ではありません。これは、簡単なようで意外と難しいことなのです。


 そもそもクラシック音楽には、「ちゃ