top of page

代表笹森 3月コラム

今月は大きなイベントが2つもありました。お越しいただいたご家族の皆さま、本当にありがとうございました。どちらも後から視聴可能なアーカイブ配信がございますので、ぜひご覧ください。


 1つ目のイベントは、クラシカエールが主催したオーケストラのコンサート「旅するエール」です。私たちアノネ音楽教室の弦楽器講師陣も、オーケストラのメンバーとして演奏しました。


 今回の演目には、私自身も大好きな「だったん人の踊り」(A.ボロディン作曲)という作品がありました。よく「最も美しいメロディ」と評される、素晴らしい旋律が冒頭に流れます。特に私が好きなのは、合唱付きの演奏です。


 「だったん人の踊り」は、ロシア軍とだったん人との攻防を巡った人間模様を描いたオペラ「イーゴリ公」の中の1曲で、舞台は1185年のキエフ大公国です(今日衝突が起きているロシアとウクライナ、そしてベラルーシは、いずれもキエフ大公国を文化的なルーツとしています)。合唱を伴う場合は、冒頭の美しいメロディに乗せて、祖国キエフ大公国を思う歌が歌われます。

 作曲者のボロディンは、この国盗り合戦の物語を描いたオペラの中でも、「だったん人の踊り」のシーンには、異民族同士が手を取り合うことが大事だというメッセージを込めたそうです。実際にオペラを見てみると悪役が登場しないのですが、そういったことからもボロディンのメッセージが感じ取れます。そんなボロディンの思いを胸にこの作品を聴いたり演奏したりすると、一層感動が深まります。


 最近は、私自身も痛ましい戦争のニュースに心が痛み、塞ぎ込みたくなるような気持ちが続いていました。そんなとき、ある記事を目にしました。それは「隣にいる人は被災者やウクライナとつながりがある人だと思って、親切にしてみると良い」というものでした。親切な行動を取ることが、相手だけではなく自分の幸福度もあげてくれるのだそうです。もし心を痛めている方がいれば、少しでもご参考になれば幸いに思います。


 直近2つ目のイベントは、1年間を通してアノネ音楽教室全体が一丸となって取り組んだ、「アノネミュージックフェスティバル」のスペシャルコンサートです。これは、映像作品の上映と講師陣による生演奏を交えた、2年ぶりの大きなコンサートでした。こうした催しが実現したのは、映像作品を制作するにあたって、保護者の皆さまに動画提出などさまざまにお支えいただいたからこそです。改めまして、ありがとうございました。


 当日は、子どもたちの素晴らしい歌声に、講師一同心から感動いたしました。ご来場いただくことが叶わなかった方には、事前に参加登録をしていただいている場合、コンサートをそのまま録画した映像を後日配信いたします。いましばらくお待ちいただければと思います。


 今回は子どもたちが出演する映像作品の上映と合わせて、アノネ音楽教室として初めて全教室長・講師が全員登壇して演奏するという試みを行いました。終演後にロビーでご家族の皆さまの晴れやかな表情を見ることができたり、アンケートで喜びの声の数々をいただいたりするなかで、私たちもたくさんの喜びと幸せをいただきました。


 あっという間に過ぎ去ろうとしているこの2021年度には、オンラインでの授業やレッスンが当たり前の選択肢となりましたし、欠席時は空き枠から振替可能という新たなルールも設けました。少し体調が悪いというときや、学校や他の習い事などとの兼ね合いで開始時間に間に合わない場合でも出席を可能にする振替やオンライン受講への切り替えの制度は、子どもたちの学びを絶やさないようにするためのものです。確かに、年間を通して格段に出席率が上がりましたし、子どもたちがさらに学びやすくなったという声をたくさんいただいています。今後もぜひご活用いただければと思っております。


 来る2022年度ですが、更にワクワクさせるような特別授業や企画をご用意いたします。夏に向けては、信州国際音楽村という場所での、数年ぶりの音楽合宿を企画しています(8月14日(日)〜17日(水)予定)。信州国際音楽村には、絶景をバックにした野外ホールがあることに加え、各部屋にピアノが配備されているなど、なかなか無い好条件が揃っていて、アノネの合宿のために設計されたのではないかと思えるほどです。


 そして、年2回の芸術鑑賞会も復活します。1つ目は、ヴァイオリンの名器であるストラディヴァリウスの音色を聴いたり楽器に触れたりできる体験型コンサート(9月4日(日)予定)。そしてもう一つは、やはり体験型のオーケストラのコンサートで、会場はサントリーホールの大ホールです(3月5日(日)予定)。今後は、冒頭にお話ししたクラシカエールというプロジェクトや、エール管弦楽団というオーケストラ団体と提携し、オーケストラの音色を毎年皆さまにお届けする予定です。


 また、クリスマス/スプリングコンサート*にあたる特別授業は、先述した2021年度のアノネミュージックフェスティバルの形に準じつつ、コロナ禍に入る前のコンサートにも近づけて行う予定です(3月28日(火)予定)。全員で制作する映像作品の上映会に加え、希望者はステージ上での合唱に参加できるようにしたいと考えています。こちらの会場としては、新宿文化センターが確保できました。

*従来毎年行っていた、アノネ音楽教室の子どもたちの合唱とオーケストラの共演による、コンサート型の特別授業。


 今後情勢がどうなっていくかはわかりませんが、与えられた環境における最高なものを準備をして、学びの機会をお届けしてまいります。


 この1年間もお通いいただき誠にありがとうございました。そして、お子さまのご進級・ご進学おめでとうございます。また4月にお会いできることを楽しみにしております。

ーーーーーーーーー


コラムに対するご感想などございましたら、


info@anone-music.com まで、ぜひお寄せください♪

閲覧数:292回0件のコメント

最新記事

すべて表示

リレーコラム:2022年7,8月『へぇ!』勝野菜生(かつの なお)

執筆者紹介:勝野菜生(かつの なお) 集団音楽教室の教室長、ピアノ・作曲の個人実技レッスン講師、教材開発、そして特別授業 芸術鑑賞会の企画運営など、幅広い範囲を担当。「なお先生」や「かっちゃん」の名で親しまれています。学生時代よりサポート講師として活躍し、長年子どもたちと触れ合い続けてきました。子どもたちの変化やちょっとした様子を見逃さない観察眼を持ち、初めて会う子どもたちとも、あっという間に信頼

代表笹森 5月コラム

私が中学1年生のときのこと。所属していたジュニアオーケストラで、初めての海外演奏旅行に出かけました。この年は、オランダの大聖堂が舞台でした。 そのオケは、下は中学1年生から、上は大学4年生までで構成されていました。もともと違う支部のオケに参加していたのですが、海外演奏旅行があるということで、隣の支部のオケにまたいで参加することになりました。 20年以上前に遡りますが、練習初日のことは鮮明に覚えてい

リレーコラム:2022年5月『大切なもの』濵口実莉(はまぐちみのり)

執筆者紹介:濵口実莉(はまぐちみのり) 子どもたちからの愛称は”みのり先生”。専門の楽器はクラリネット。 お茶の水校・オンライン校 集団音楽教室 水曜日クラス(年中長コース・小学生ベーシックコース)、および土曜日に開講しているリトミックコースの教室長を担当。1歳半から小学生の子どもたちの指導にあたる。また、アノネ音楽教室のイベント運営も担当。学生時代に吹奏楽部を部長として取りまとめた経験も活かし、

bottom of page