平素よりお世話になっております。アノネ音楽教室の代表 笹森壮大です。

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　発表会における講師演奏について、お知らせいたします。

昨年度より発表会の場での講師演奏を廃止し、別の機会にお届けすることといたしました。

　講師演奏は、もともと

「お子さまが講師の演奏を観ることでインスピレーションを得て、より一層モチベーションを向上させていけるように」

という思いからスタートさせた経緯がございます。

　初年度は、1開催のみ、わずか6名から始まった発表会。それが、今ではおかげさまで20開催以上となり、およそ360名のお子さまがステージに立つほどの規模になりました。発表会がどれほどの規模になっても、お子さまにも保護者の方にも素晴らしい経験や思い出が届けられることを目指し続けております。

　その過程で、思いを込めて発表会の準備を進める、講師をはじめとしたスタッフの姿を、私自身近くで見てきました。運営に携わるスタッフ一同は、お子さまのための特別授業やコンサートなどの催しは必ず成功で終えられるようにと、細部にまで気を払いながら準備を進めています。これまでイベントにご参加いただいた方には共感していただける部分もあるかもしれませんが、私自身は事前準備をしている担当スタッフを見る度に、その細やかな配慮と子どもたちを想像しながら取り組んでいる姿にとても感心しています。大雑把な私が持ち合わせていない彼ら彼女らのホスピタリティに、日々学ばせてもらっているほどです。

　そんな真面目なスタッフばかりだからこそ、普段の授業やレッスン、さまざまな催しの運営や教材の作成など、各々の仕事をこなしながら発表会の準備を行い、さらに退勤後に夜遅くまで各々が納得行くまで講師演奏の練習をするということが恒例となってきました。やはり講師といえど、特に舞台に立つこととなれば、毎日何時間も練習するものです。発表会のシーズンは、そもそも目の前の発表会の準備があり、普段の業務もあるところ、さらに講師演奏にも力を注ぐ彼らの姿がありました。

　アノネ音楽教室は、20代の若い集団で立ち上げた頃から月日を経て、だんだんと家庭を持っていたり、子育てをしたりするスタッフが増え、働き方も多様になってきました。そんな今日この頃、できるだけ講師やスタッフが心身ともに健康で、長く続けられる形にしていきたいと、ますます思っております。

　講師たちからは、むしろ「お子さまの発表会でこそ演奏を届けたい」という意見が多く挙がったことも事実です。どちらかと言えば、代表、そして経営者である私が講師一人ひとり、そしてその講師たちが大切に見ているお子さま一人ひとりに思いを馳せてみて、このように考えたゆえの決断です。

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　「クラシック音楽のお稽古は、長年をかけて上達させ、味わっていけるもの。例えるなら短距離走ではなくマラソンのようなもので、私たち講師は音楽を学ぶ子どもたちの伴走者である 。情熱を燃やせるこの仕事において、若い時期だけで燃え尽きるのではなく、聖火のような絶えない火で、子どもたちの行く先を10年、20年と照らし続け、並走してほしい」

こんなふうに、講師たちの長期的な健康をどのように担保し、持続可能な働き方にできるか、そしてお子さまの学びにいかに貢献し続けられるか熟考した末、この度のような判断に至りました。

　一旦は発表会での講師演奏を廃止いたしますが、講師がなるべく別のことに追われずに練習して臨める時期に、講師が演奏するコンサートを開催することといたします。

　保護者の方々やお子さまが悲しまれる声も想像しております。申し訳ありません。しかし、あくまで

「お子さまが講師の演奏を観ることでインスピレーションを得て、より一層モチベーションを向上させていけるように」

という思いは変わりません。ですので、講師一同が皆さまに演奏を届ける機会は、今後も設けてまいります。ただし、その時期や場所が変わるということをご承知おきいただければ幸いです。

2023年

​アノネ音楽教室代表 笹森壮大