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リレーコラム:2025年5月 『手がかかる子ほど』町田 光優 (まちだ あきひろ)

更新日:2025年5月31日

執筆者紹介:町田 光優(まちだ あきひろ)

 集団音楽教室『年中長総合コース』『総合(小学生ベーシック)コース』『高学年総合(エキスパート)コース』 教室長、合唱指導者。

「授業やレッスンはお祭りみたいに楽しむもの!」と学ぶことの楽しさを体現し、子どもたちからも大人気の”まっちー先生”。今年度に入って、毎日朝から子どもたちと全力で学び、遊び、成長や変化をとことん見て導く、アノネエレメンタリースクールの主任になりました!


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『手がかかる子ほど』


 こんにちは。アノネエレメンタリースクール(アノメン)主任の町田です。子どもたちからは「まっちー」の愛称で親しまれています。

4月に開校したアノネエレメンタリースクール。まだ始まって2か月ですが、子どもたちとともに過ごす日々は、驚きや発見に満ち、充実した時間となっています。


アノメンについて詳しくは、以下のホームページをご覧ください。


 今回は、アノメンでの授業を通して、ある生徒さん(仮にAくんとします)の変化と成長を通じて感じたことを綴らせていただきます。


 Aくんと私の出会いは数年前、花まる学習会の教室でした。当時、私は教室長をしており、Aくんは生徒の一人でした。教室に来る時間がまちまちだったり、学習に向かうエンジンがなかなかかからなかったりという様子がありましたが、漢字に対するこだわりが強く、作文では一文字ずつ丁寧に辞書を引きながら取り組む姿が印象に残っています。国旗が好きで、「これはどこの国?」と楽しそうに教えてくれたこともありました。


 しばらくして、Aくんが教室に来る日が減り、次第に姿を見せなくなっていきました。その後、アノネの楽器レッスンには通っていたので、担当スタッフと相談し、お母さまと改めてお話をしました。Aくんは当時、学校にも習い事にもなかなか足が向かない時期だったそうです。先生方も丁寧に関わってくださっていたとのことでしたが、Aくん自身が登校に前向きになれるタイミングを見つけられず、日々のリズムも崩れがちになっていたようでした。学習面でも一部の教科で取りこぼしがあり、それがまた学校に戻る自信を持ちにくくしていたように感じました。


その後、アノネエレメンタリースクールの開校が決まり、説明会にお母さまも参加してくださいました。面談を経て、Aくんはアノメン1期生として入学が決まりました。


迎えた初日。時間になってもAくんの姿が見えず、電話をかけると、

「え、今日学校なの?」という声が聞こえ、そのまま通話が切れてしまいました。


無理をさせたくはない。でも、このまま授業を始めてしまうのも違う気がする。そう感じた私は、子どもたちと一緒にAくんの家の近くまで歩いて行くことにしました。散歩もかねて、みんなでゆっくりと。


「なんで迎えに行くの?」「まあ、いいけどさ〜」と、子どもたちなりに考えながら歩いていると、向こうから走ってくる姿が見えました。


「おーい!待ってたよー!」


 みんなで笑顔でAくんを迎え、その日からアノメンの毎日が本格的に始まりました。


 最初の2週間は、子どもたちがお互いに安心し、自然なかたちでつながりを深められるよう、環境づくりを大切にしました。Aくんは、コマやヨーヨー、レゴなど手先を使った遊びがとても上手で、まるで職人さんのような集中力があります。その遊びの中に自然と仲間が集まり、気がつけばみんなが一緒に遊ぶようになっていました。


 ある日、みんなで新しく来る仲間のために歓迎会の準備をしていたときのこと。Aくんはヨーヨーの紐がほどけたのを直すのに夢中になり、歌詞カードづくりから少し離れてしまいました。声をかけたところ、思いがあふれてしまったのか、その歌詞カードをぐしゃぐしゃっと握りしめるような場面がありました。別室で少し時間をとって、ゆっくり話を聞いていくと、Aくんが過去の学校生活で感じていたつらさや戸惑いを少しずつ話してくれました。おそらくAくんの中には、言葉にしきれずに抱えていた思いがたくさんあったのだと思います。その後も、気持ちがゆらぐ瞬間や、葛藤を見せる場面はありました。けれど、Aくんは日を追うごとに、自分の気持ちを少しずつ言葉にできるようになり、スタッフや仲間たちと少しずつ関係を築いていきました。畑仕事や登山など、みんなで挑戦する体験を重ねるうちに、自然と心の距離が近づいていったように思います。


 気がつけば、Aくんの表情がどんどんやわらかくなり、明るい笑顔が増えていきました。

今では朝、誰よりも早く登校してきて、Aくんが一番でない日は「今日はどうしたの?」と話題になるほどです。


 ある日お母さまとお話しした際には、

「最近は元気すぎて、逆に困っちゃいます(笑)。でも、アノメンが楽しいと言ってくれて、本当に良かったです」

と、うれしいお言葉をいただきました。


また、「Good Things(今日よかったことを話す時間)」の時にも、最初はなかなか話せなかったAくんが、今では毎日のようにいろんな「よかったこと」を話してくれます。


そしていよいよ、学習の時間も始まりました。Aくんは1年生の内容から、丁寧にリスタートしています。最初は少し緊張も見られましたが、今では自然と机に向かい、放課後の学習時間にも自ら取り組む姿が見られます。


「まっちー、がんばれって言って!」

「いいよ、がんばれー!」

「やったー!」


というやりとりをすることもあり、Aくんの中で学びが“楽しい”こととして感じられているのが伝わってきます。学習面での取りこぼしも、今は自信に変わりつつあります。


 Aくんの成長は、まだまだ続いていきます。ただ一つ確かなのは、「この子はこういう子だから」と、大人がどこかで限界を決めてしまっていたら、今のような変化は起きなかっただろうということです。時間がかかったとしても、じっくり関わりながら信じ続けることで、子どもたちは自らのペースで一歩ずつ歩み始めます。手のかかる時期がある子ほど、その一歩一歩がかけがえのないものに感じられます。そしてその先には、思いがけないほど大きな変化と可能性が広がっていることを、Aくんが教えてくれました。


アノネエレメンタリースクールでは、現在も新たな仲間を募集しています。学校生活に不安や悩みがある方、今の環境に少し違和感を感じている方がいらっしゃいましたら、どうぞお気軽にご相談ください。

いつでもお待ちしています。


アノネ音楽教室 町田 光優(まちだ あきひろ) - “まっちー先生“

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コラムに対するご感想などがございましたら、

info@anone-music.comまで、ぜひお寄せください♪


 
 
 

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