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リレーコラム:2023年5月『「できない」から得られたもの』町田光優(まちだ あきひろ)

執筆者紹介:町田光優(まちだあきひろ)

子どもたちからの愛称は”まっちー先生”。まっちー先生がいると教室がぱっと明るくなり、アノネ音楽教室の設立時から大人気でした。現在高学年や中高生の皆さんにも、小さい頃にまっちー先生と楽しい時間を過ごしたという人が多いのではないでしょうか。子どもたちにはあまり知られていないのですが、実は音楽面では合唱の指揮者として熱い音楽を描きます。アノネ音楽教室で巣鴨校の集団音楽教室の教室長を務めているほか、花まる学習会の教室長としても150名以上を担当。「授業はお祭りみたいに楽しむもの!」と、学ぶことの楽しさを伝え続けています。



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『「できない」から得られたもの』


■ まえがき ■

 アノネ音楽教室が所属する「花まるグループ」では、学力や技能の向上に留まらず、魅力的な人を育てるということを目指しています。私自身はアノネ音楽教室の教室長と、花まる学習会の教室長の両方を担当していますが、どちらにおいても、子どもたちが人として成長できる場を届けられるよう努めております。


 今回は、昨年私が参加した、花まる学習会が主催する野外体験企画*「雪国スクール」での子どもたちの成長の様子をお届けします。

*花まる学習会の野外体験は、アノネ音楽教室にお通いの皆さまも参加可能です。


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 雪国スクールに参加しました。天候に恵まれ、気温はちょうど良く、どこを切り取っても絶景。雄大で圧倒的な大自然を前に、幾度となく心を打たれる子どもたちの姿がありました。絶好の雪国スクール日和に食べる温かい食事は、寒いなかたくさん動いて疲れた体に染み込み、何倍も美味しく感じます。お風呂や温泉でも芯から温まり、布団を敷いてぐっすり。デジタルデトックスとはまさにこのことで、頭も心もスッキリ。花まるの仲間やリーダー、宿の方など温かい人たちに囲まれて心豊かに過ごす。現代の子どもたちにこそ必要な時間です。

 今回私はスキーの3つ目のレベル「ステップアップコース」のサポートスタッフとして参加しました。その活動のなかでも、ある子どもたちの成長が印象に残っています。


 1年ぶりのスキーという子もいましたが、大人であれ感覚を取り戻すまでは多少もたつくことがあります。そもそも滑る以前にスキー板をはめることも難しく、板をはめたらはめたで歩くこともできなかったり、「あ~れ~」と意図しない方向に滑って行ってしまったりする子もいました。こういった子たちには、特別レッスンを行います。スペシャルチームを結成し、この選ばれし3人と一緒に小グループスキーレッスンをしました。


 「君たちは滑れないから個別レッスンね」

ということではなく、なんだか秘密のスーパー修行ができるということで、

「スペシャルチームだ!」

と伝えると、3人とも誇らしげでした。まずは落ち着いてスキー板を履き、板に体重をしっかり乗せる。それから板を地面につけたまま、右・左と重心を移動する。それから板を片足ずつ上げる練習。こういった一見すると地味な練習にも文句一つ言わず黙々とがんばる3人。

「上手く滑れるようになりたい!」

という3人の意気込みが伝わりました。こういった一つひとつの小さな「できた!」を積み重ねることが、ちょっとのことでは揺らがない大きな自信につながっていきます。この3人には「同じ仲間で一心同体だ」という気持ちも芽生え、誰かが転んだり尻もちをついたり、何か上手くいかないことがあっても自然とゆっくり待つようになりました。

「大丈夫かなあ」

「ちょっと待ってあげよう!」

という声も上がります。


 「できなかった」「悔しい」を知っているからこそ、温かく見守ってくれる仲間やリーダーたちの優しさもわかる。だからこそ他の子にも優しくなれる。この安心できる空間にこそ、花まるのスキーイズムがあると感じます。


 1本目、2本目と滑るうちに、子どもたちが過去に滑っていた感覚や経験もよみがえり、3本目を終える頃には、自信を持って滑ることができるようになっていました。

「気持ちいい!」

「最高!」

「滑ることができたぞ!」

といった子どもたちの声。その喜びの表情がゴーグルとネックウォーマー越しにも伝わるほどでした。その後は班の仲間たちと合流。今まで滑っていたレーンとは違う、鋭い傾斜で滑ることに驚いていました。しかし、先ほどの修行を乗り越えて食らいつく精神が育ち、仲間と一緒に気持ちよく滑ることができました。私自身はそんな姿に安心しつつ、他の子どもたちのサポートに向けて移動しました。

 スキーに限らず、サマースクールやアノネ音楽教室の音楽合宿など、さまざまなコースで前述のエピソードのようにあっという間に成長する子どもたちを見てきました。私自身、そんな姿を見るたびに、何かができないことは決して悪いことではないということを感じます。


 できない悔しさを知っている。できるようになりたい自分への希望や期待を知っている。なんだか置いていかれるような寂しさも不安も知っている。だからこそ、誰かに優しくできる。努力できる。時には我慢できる。そして、達成する喜びを心の底から味わうことができる。そこには大らかな目線で見守るリーダーや仲間がいる。小さなことから大きなことまで、言葉で、行動で気持ちを共有しあえる。花まるグループの野外体験で得られるものは、これから成長していく子どもたちの心の奥深くまで届くものだと、私は信じています。


アノネ音楽教室/花まる学習会

町田光優(まちだ あきひろ) - ”まっちー先生”


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コラムに対するご感想などがございましたら、

info@anone-music.comまで、ぜひお寄せください♪


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