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代表笹森コラム 2023年9月

 9月11日に第一子が生まれました。ある生徒から「クーラウ*(作曲家)と同じ誕生日ですね!」と教えてもらい、さすがアノネっ子!と笑ったりしながら過ごしております。私もとうとう新米パパになったわけですが、一生にそうあることではないので、記録として残しつつ、コラムを通して皆さまにシェアできればと思います。

*ピアノ学習の過程で重要な作品を多数作曲。彼の作品はアノネ音楽教室のピアノ教本にも掲載されています。


 その日はたまたま当教室スタッフの連休の始まりでした。普段は妻と公休日が違うためなかなか休みが合わないのですが、まるで二人とも休みだったこの日を選んで生まれてきてくれたかのような我が子でした。


 朝4時に陣痛が始まり、これは来たかなと思い病院に連絡。マニュアル通り陣痛のインターバルをカウントし、それが短くなった朝7時過ぎに病院に行きました。病院に到着してからは、妻は廊下を歩き、陣痛に耐え、治まったら歩き、陣痛に耐えの繰り返し。そしていよいよ分娩台へ。陣痛が治まるタイミングで、すかさず汗を拭き、飲み物が必要か聞いて差し出す。これが6〜7時間ぐらい続いたでしょうか。看護師さんに

「陣痛が来たら旦那さんが腰を押したりさすったりしてあげてください」

と言われ試すものの、看護師さんの力加減とは違うようで、私がやると妻には渋い表情で顔を横に振られます。「加減が違うからやらなくていい」という意味でした。とにかく看護師さんに任せることしかできません。朝の4時から起きていることと激しい陣痛で、夕方過ぎには憔悴しきっている妻。そんな姿を横目に、出産における男性の無力さを痛感しました。励まし、汗を拭き、口元までストローを持っていってスポーツドリンクをあげる。分娩台の横にいる私にできることといえば、これだけでした。


 最後まで立ち会い、無事出産。生まれた感動もさることながら、出産の少し前のコンディションに波があったことから命に関わるほどの苦難を乗り越えた妻に、ただただ感謝の気持ちがあふれていました。


 さて、妻が退院して約2週間ほどが経ちました。毎朝3時きっかりに起きる我が子に奮闘しています。皆さまにとっては当たり前かもしれませんが、子育てはチームでないと厳しいということを、身をもって感じております。一般的に、産後は交通事故にあった後ぐらい弱っていると言われているお母さんが、まずは回復しなければならないのにもかかわらず、睡眠も満足に取れない。療養と子どもの世話が始まれば、産後鬱になってもおかしくないということを理解できました。3時間おきにミルクをあげ、おしっこがおむつからはみ出るのは当たり前。1日中洗濯機を回さなければならず、そんななかで外食もできないのに、ご飯を作る気力や体力は残っていない。寝かしつけ、洗濯、授乳、家事、炊事…。こんなことがワンオペであっていいわけがありません。地域での子育てがほとんどなくなった現在までに、多くの世のお母さんたちがワンオペで乗り越えてきたと思うと、筆舌に尽くしがたいものがあります。


 我が家の場合、幸いなことに10年ぐらい保育士を経験し、現在分子栄養学士を務める妹がほとんど住み込みのような形で手伝いに来てくれています。また、私もレッスン以外では完全リモートワークで子育てをすることができています。それでも何とかギリギリ回せているという状態ではありますが、やはり身近に頼れる人がいることのありがたさを身に染みて感じています。そんな日々を過ごしながら、後に続くであろう若い社員やスタッフをサポートできる環境や制度を会社で作っていこうと夫婦で話しています。


 さて、先日夕暮れ時に外に出てみると、その涼しい空気を心地よく感じると同時に、秋風落莫の思いに駆られました。音楽合宿が続いた今年の夏は、家に帰ってシャワーを浴びてもずっとセミの声が耳元で鳴り続けるような感覚で、毎日外で遊んでいた子ども時代を思い出していました。体力の限界を越えるほどに遊びきった満足感と疲れで、気持ちよく床につく感覚。今年の夏もまた、そんな日々の繰り返しだったように思います。過去最大の150名近くが合宿に参加し、コース数も4開催と、本当に多くの子どもたちと過ごすことができました。送り出していただいた保護者の皆さま、本当にありがとうございました。

 

 我が子が生まれて、「やっぱり人の子と違う?」「特別かわいい?」と聞かれます。確かにとんでもなくかわいいのは言うまでもありません。しかし、この気持ちは日々ずっと感じ続けてきたものだったのでした。思えば、合宿で子どもたちと何泊も一緒に過ごしたり、何年も成長に携わったりしていると、無条件で愛情を注いでいたいという思いが自然とわき上がるものです。我が子に、そしてこれまで出会った子どもたちに、そんな大切なことに気付かせてもらったように思います。ここから父親としてもしっかり成長していけるよう、そしてその経験を現場の子どもたちにも還元できるよう、次のライフステージを楽しんでいきたいと思います。


アノネ音楽教室代表 笹森壮大

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コラムに対するご感想などがございましたら、

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