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代表笹森コラム 2023年4月『子どもを伸ばす4つの指針』

 私が花まるグループで子どもたちを指導し始めてから10年目となりました。今から10年前の2013年、学習塾 「花まる学習会」(以下、「花まる」と記載)に入社して、4月から教室長として現場に立ちました。


 花まるには、音楽教育をやるために、まずは幼児教育を学びたいと思って飛び込みました。預からせていただいたのは、年中さんから小学6年生までの250人。教育に理想を掲げて入社しましたが、やはり百聞は一見に如かず。たくさんの子どもたちと関わり、保護者の方々と年間400回以上面談をさせていただきました。子どもたちに教える役割を担ったはずが、逆にたくさんのことを学ばせていただく3年間となりました。


 花まるで教室長を務めつつ、音楽教室の設立へ向け、プレ開講として当時年少さんだったRくんのチェロのレッスンを受け持ちました。本開講までの2年間、たった一人の生徒であった彼とのレッスンのなかで、音楽教室の礎を築いていくことになりました。彼は現在中学2年生で、今でも私のレッスンに通っています。


 さて、プレ開講を続けていくなかで、立ち上げメンバーで、チェロのほかにピアノやヴァイオリンのレッスンも行い、生徒は5人ほどになりました。そして、2015年に本開講。たくさんの問題意識を持って青写真を描き、スタートしました。本開講から9年目の今年は、おかげさまで過去最大である700名に到達しようとしています。


 ただ、私自身のクラスの生徒はそれほど増やしていません。むしろ全体をじっくり見守るなかで、どのようにすれば子どもたちが精神面・技術面ともに伸びていくかということを大切に考えてきました。アノネ音楽教室の開講以前の期間を含めてもたった15年ほどではありますが、心も技術も育くんでいくためのポイントが浮かび上がってきたので、新入会の方がたくさんいらっしゃることをふまえつつ、お伝えしたいと思います。


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1. 先生と二人三脚で


 私たち講師は、保護者の皆さまと二人三脚で、お子さまのことを育てたいと考えています。とは言っても、保護者の皆さまがますます忙しくなっているこの時代に、

「レッスンを必ず見学してください」

とはお伝えしておりません。その分、よく連絡を取り合って連携していければと考えております。


 大手の音楽教室では、講師と保護者が直接連絡を取ることは原則禁止ということがほとんどだそうですが、アノネ音楽教室ではそれを推奨しています。子どもたちへのサポートのしやすさを重視してのことです。


 例えば、家族旅行が理由で、お子さまが練習できなかった週があったとします。そんなときは事前にその旨をお伝えいただけると、まずは

「今週旅行に行ってきたって聞いたよ!楽しかった?」

と、明るい話題からレッスンをスタートすることができます。また、体調が悪ければ、まずはいたわりの言葉を投げかけることができます。


 しかし、そういった事前情報がなければ、演奏のクオリティーだけで

「どれくらい練習してきたの?」

「なんで練習できなかったのかな」

といった会話からスタートしてしまうことになるかもしれません。