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日本バッハコンクール 受賞記念インタビュー

2014年より、アノネ音楽教室の集団音楽教室とピアノの個人レッスンを受講している4年生の松山滉杏さん。先月に開催された2020年度の日本バッハコンクール(https://www.bach-concours.org)の全国大会で銅賞を受賞されました。

今回、受賞を記念して滉杏さん、お母さまにコンクールを受けるまでの道のりや、日頃からの音楽への向き合い方などをオンラインで伺いました。



【インタビュアー】

・アノネ音楽教室代表 笹森壮大

・レッスン講師 稲島早識


▼音楽の習い事の始め方について

笹森:レッスン、集団音楽教室は、いつ頃始められましたか?


お母さま:まずは個人実技レッスンを4歳から始めて、集団音楽教室は小学1年生から始めました。


笹森:アノネ音楽教室を最初に選んだきっかけは何ですか?


お母さま:音楽教室をどこにするかとても悩みまして、1番の理由は笹森先生の書籍を読んで、立ち上げた経緯、方針や考え方に共感したことがきっかけです。


笹森:そうだったんですね ! ありがとうございます。滉杏ちゃんは集団音楽教室の授業で好きな教材はありましたか?


滉杏さん:音なぞ(小学生ベーシックコースの音楽理論テキスト)やプリモ(音楽教育アプリ)。


笹森:へえ〜!音楽理論系が好きなんだね!



▼コンクールについて

笹森:滉杏ちゃん、改めてコンクールの受賞おめでとうございます。今回のコンクールで演奏した曲は何ですか?


滉杏さん:地区大会ではバッハのインヴェンション第8番、全国大会ではバッハのインヴェンション第4番を弾きました。


笹森:コンクールに出た経緯を教えてください。


滉杏さん:毎年稲島先生とどのコンクールに出るかを話し合って決めています。


笹森:稲島先生、コンクールに出そうと思ったきっかけはありますか?


稲島:滉杏ちゃんに凄く音楽性があるのと、音楽は競うものではないけれど、ライバルが近くにいることで刺激を受けて成長できると思いました。


笹森:最初は何年生のときに出ましたか?


滉杏さん:2年生のときです。


笹森:これまでのコンクールを通して一番思い出に残ったことや、感じたことはありますか?


滉杏さん:いつも家で練習しているときとは違って、大会だから緊張するけど音の楽しさも感じられました。


笹森:お〜すごいね!(驚き)どういうところに楽しさを感じましたか?


滉杏さん:音の響き。普段はホールではあまり弾けないから!


笹森:コンクールで楽しめる余裕があるのは凄いことだね。


▼練習に関して

笹森:コンクール以外でも、ピアノを弾いていて良かったな、ピアノが好きだなと思う瞬間はありますか?


滉杏さん:難しい曲や大好きな曲が弾けたとき、私が弾いた曲を聴いて美しい曲だなと思ってもらえたときが嬉しいです。


笹森:反対に、くじけそうになったときはありますか?


滉杏さん:練習していても、難しくてできないと大丈夫かなと不安になるときもあります。


笹森:そういうときはどのようにして乗り越えていきますか?


滉杏さん:レッスンで稲島先生が教えてくれた練習方法とか、お母さんが教えてくれた練習方法を混ぜて練習していきます。


笹森:練習でどんなを工夫していますか?こういうところに気をつけて弾く!とか、自分なりにこだわっていることや、考えて練習することはありますか?


滉杏さん:最近は、部分練習、リズム練習をするとき、5分間タイマーを付けて練習しています。コンクールに向けた練習のときは、場面が変わるときに気持ちも入れ替えなければならないので、それに苦労しました。


笹森:気持ちも入れ替えることも意識しているのはさすがですね。どのようにして気持ちを入れ替えていますか?


滉杏さん:楽譜を読んで短調なのか長調なのかなど分析してみて、気持ちを入れ替えています。


笹森:はあ〜なるほど。コンクールになると、表情の豊かさも大事だからね。

   今言った練習方法とかで、何回も同じ部分を練習するとイライラしたり面倒くさいと思ったりしないですか?


滉杏さん:弾いている曲が私の好きな曲であればもっと上手くなりたいと思います。時間を測って集中すると「もう終わったのか」と思ったりもします。


笹森:じゃあ、5分間弾いても上手く弾けなかったときはどうするの?


滉杏さん:同じ曲で他の部分練習をしたあとに戻ってきたりします。


笹森:その練習方法はどのようにして見つけたんですか?


滉杏さん:自分で…あ!そうだ!と思って思いつきました。


笹森:あははは!(笑い)素晴らしいね!練習していてストレスが溜まることはないですか?

先生嫌な質問ばかりしているね(笑い)正直に教えて欲しくて、先生は練習ってストレスが結構かかるものだと思っているのね。それ自体は全然悪いことじゃないと思っていて、そこにどうやって向き合うかが大事だと思っていているから、滉杏ちゃんがどう感じているか知りたいな。


滉杏さん:弾いている曲で特に好きな部分が、最初は譜読みをしていて一番弾けない部分だったりするけど、でも好きな部分だからこそ「やらなければダメだ」とか「やりたい」と思います。


笹森:素晴らしい。なんでそんな風に思えるようになったか、先生知りたいな、また順番に質問していくね。



▼お母さまの練習の関わり方について

笹森:では、次はお母さまに質問です。小さい頃から見ていて練習の仕方や向き合い方、モチベーションの変化はありましたか?


お母さま:変化はとてもありましたね。こちらもモチベーションを上げることが難しくて…

特にもう10歳になると自分の意見がはっきりしてきますし、もちろん反抗的なことも言います。私がずっとそばにいて練習という昔のような練習はできないです(笑い)

曲の読み始めが特に大変で、気持ちが凄く下がってしまうんですね。

弾けてくると吸収はとても早いのですが、そこに到達するまでの壁が大きくて、目標に到達するまでは、私が「ここのフレーズかっこいいよね!」と弾いて聴かせてます。


笹森:へえ〜!!(驚き)お母さまもそんなに弾けるのですね!お母さまもピアノを練習されているのですか?


お母さま:娘と同じように毎日練習しています。


笹森、稲島:ええ〜〜!!(驚き)


笹森:でもそれは凄いキーワードだと思います!


お母さま:今、娘の曲がどんどん増えてきて、私がとても楽しくて!色んな曲が弾けるので!


笹森:え〜!じゃあ、お母さま大人レッスンをぜひ稲島先生のところへ来てみてはどうでしょうか(笑い)

大人が背中を見せることが一番子どもにとって刺激になるというのは、花まるの代表の高濱も言っていますが、その効果はあるかもしれないですね。

ちなみに、なぜ練習しようと思ったのですか?


お母さま:私自身ピアノが好きなので、曲を弾きたいと思うのと、娘が弾く曲に対して先に弾けていないと嫌だと思って(笑い)曲の面白い部分や難しい部分をより勉強したいと思っています。


笹森:うわ〜それは素敵ですね!!


滉杏さん:私が譜読みするときにお母さんが弾けているから、耳で覚えて弾きやすくなったりします。


笹森:それは大きいね!今は滉杏ちゃんは分からないことかもしれないけど、本当にありがたいことだね!お母さんに感謝しないとだね!(笑い)


笹森:基本的に練習は付きっきりで見られているのですか?


お母さま:そうですね。でも、年齢が上がるたびに、自分の練習方法があるので、そこには口出しせずに1人で練習させています。


笹森:だんだん反抗期がきて、これから言うこと聞かなくなってくるかもしれないので…高学年の生徒でもよくあるのが、練習で明らかに音楽的に違うと指摘したら「この曲がどれだけ難しいか分からないのに口だすな」とか「先生はそう言っていないとか」子どもが言って、その反抗的な態度にお母さんが頭にきて、という話はいたるところでよく耳にします(笑い)高学年として健全なんですけどね。滉杏ちゃんも気をつけてね。


滉杏さん、お母さま:(お互いに見合って笑って頷く)


笹森:年中長の頃はどのくらい練習していましたか?


お母さま:30分~1時間くらいでしょうか。


笹森:だんだん小学生にあがっていくにつれて時間が伸びていきましたか?


お母さま:はい。今習い事が多くて時間がとれないことが1番の悩みなんですが、1日最低で3時間弾けたら良いなとは思っています。


笹森:ちなみに習い事は何をされていますか?


お母さま:花まるグループが多いんですけど、塾はスクールFCとアルゴと合科授業と、集団音楽教室(エキスパートコース)とピアノの実技レッスンと日本舞踊ですね。


笹森:ずっと習い事の種類は変わらないですか?


お母さま:そうですね。変わらないですね。合科授業だけが増えました。


笹森:そうすると、習い事はずっと週6、7くらいで続いているんですね。

   そのスケジュールは滉杏さんは疲れますか?


滉杏さん:疲れるは疲れるけど、合科もアルゴも楽しい!


笹森:凄いよね。でも今習い事たくさんやっているこどもたちは多いよね。

   お母さまが指導するときに気を付けたり、工夫したりしていることはありますか?


お母さま:一番は…褒めてますね。少しでもできたら「それ良いね!」と大袈裟に褒めます(笑い)ただ私は喜怒哀楽があるんですよね。怒るときは怒りますし、褒めるときはものすごく褒めます。最近は褒める方が多くなってきたかなという感じはしますね。


笹森:逆に小さい頃は叱っていたりしましたか?


お母さま:うーん…(悩む)椅子にずっと座っていられないというのが子どもの頃は、当たり前のことですが…でもそんなに叱ってはいないかな?楽しめていたので。


笹森:なぜ沢山褒めることを心がけているんですか?


お母さま:モチベーションを上げるためです。やっぱり好きでいて欲しいことが一番ですし、この子の性格から、楽しくないと続かないんですよね。褒めた方が伸びるなというのは性格上分かっているので。良い方向に進めたら良いなと思っています。


滉杏さん:初めての曲を両手で通して弾けたときとかは、すごい褒めてくれる!


笹森:褒められると嬉しい?


滉杏さん:うん…!(笑い)


笹森:そうだよね。大人の先生でも褒められると嬉しいもん(笑い)



稲島:私からもお母さまに質問です。今までレッスンの中で様々な練習を提案してきましたが、最も効果的だと感じる練習方法はありますか?


お母さま:3回連続ゲーム(ピアノ作品集の補助ページにあるビンゴの中の1つ)です。3回続けて部分練習のフレーズを成功しなければならないというもので、私がカウントするんですけど、「1回目!2回目!3回目できた!!!!!」という感じでモチベーションが上がっていきます(笑い)


笹森:僕もレッスンで行っていますが、最初はとりあえず3回やれば良いというのを、だんだん成功しないといけなくして、ハードルをあげていっています。お家でも楽しんで取り組めているのですね。



笹森:アノネのピアノ以外での集団授業やイベントに通ってみて、ピアノの役に立っていると思うことはありますか?


お母さま:生徒さんが多いので、イベントなどを通して年齢関係なしに友だちになれることがいいなと思います。音楽的要素と一緒に関連している友だちができて、一緒に音楽を共にしてまた楽しくなる。そのときの出会いで友だちが増えていっているんです。その絆が素晴らしいと毎回思っています。合宿でも何泊か共にして、勉強して、連弾して、また次の舞台で会ったときに「あ~!」と言えるところ…学校も年齢も違う人に出会えることは、中々小学生でないんじゃないかなと思います。人の出会いが素晴らしいと思っています。


笹森:ありがとうございます。特にピアノ科はそういう経験なく育っちゃうこともあって…まさにピアノ科の子たちにも繋がりが作れたらいいよね、と思ってやってきました。



笹森:教えていて苦しかったことはありますか?


お母さま:それはいっぱいあります(笑い)塾から帰ってきても練習をやろうとすると、自由な時間があまりなく…練習しない日が無いのが辛いところですね。音楽は練習の時間を取ってずっと続けていく努力をしていかなければならないので…本当に凄いなと思います!

勉強して、他の習い事もして…コンクール前も日本舞踊の発表があったんですけど、それもやり切りましたし、本当に一つひとつ好きなこともやっているからこそですが、頑張っている。本当に偉いなと思います。




▼ピアノのことについて

笹森:自分の演奏のどのような部分が好きですか?


滉杏さん:いつもコンクールでも、小さな発表会でも自分でも納得できるように弾くことと、身体で表現することが習慣となっていること。


笹森:表現力の話で、コンクール(演奏)は技術的に譜面通り弾けて当たり前みたいなところがあるけども、間違わないようにできた上で、人に伝わるように演奏することが求められるよね。

音楽的に演奏するということが大事なのは滉杏ちゃんも分かるよね?

少し難しい質問ですが、その音楽的にってどのように感覚として分かって、作っていっていますか?また、自分なりの表現をどうやって深めて行きましたか?


滉杏さん:インターネットで曲のことについて調べたり、他のピアニストの演奏を聴いたりしています。自分とは違う演奏を聴くと新しい発見があります。


笹森:なるほど。自分とは違う演奏を聴いて真似することが多いということですか?


滉杏さん:聴いたものを工夫する感じです。


笹森:へー!さらにバージョンアップするんだ!(驚き)まず真似から入ることは凄く良いと思います。そういう風に見つけているんだね。

音楽的ってなんだろうと思うことはありませんでしたか?


滉杏さん:音楽的ってどうやって人に伝えたらいいのか、と思ったことがあります。1回目のコンクールに出たとき、審査員の講評を見て工夫をしていたところをもう少し考えた方が良いと言われたときに、もっと大げさに表現するにはどうすれば良いんだろうと思いました。


笹森:へえ〜それは凄くいい経験だったね!



稲島:ピアニストになりたいと思ったきっかけは何ですか?


滉杏さん:将来の夢を決めるときに、コンサートを聴きに行って好きな曲が出たときは嬉しくなったり、気持ちが温かくなったりしたから、それを自分が演奏できれば他の人も温かくなるかなと思ったからです。


笹森:凄いね!この間ラグビー協会の中竹さんという人とお話したんだけど、優秀なラグビーの選手はインナードリームというものを持っているんだって。インナードリームというのは、日本代表の選手とかでも、どのようなプレーが好きなのかを言葉にできない人がいっぱいいるんだって。実はこういう綺麗なパスを出すことが好きなんだとか、こういうシュートをするのが好きなんだとか言えない人が意外と多くて、そういうことが見つかると物凄く伸びるという話をしていたんだ。音楽家も同じだと先生は思っていて、何となく音楽が好きで音大に行く人はたくさんいるんだけど、滉杏ちゃんが言ったような心が温かくなる体験があると言えることは凄いことだと思う。その気持ちは大事にして欲しいです。


先生も、小学6年生のときに演奏旅行でオランダやベルギーに連れて行ってもらったんだよね。そこで演奏した曲が凄く格好よくて綺麗だな!と思った体験が、集団音楽教室でやっている「きりえ」の曲になっている。あのときの音楽は「とても美しいんだ!」と思った体験で、いつか子どもたちにもきりえの音楽に触れさせてあげたいと思って、坂村先生にお願いして曲集を作ってもらったんだ。最初の原体験をずっと持ち続けていくと凄く武器になるので、ぜひ大事にしていってね。


▼ピアノ以外の生活について

稲島:ピアノ以外で何をすることが好きですか?


滉杏さん:アルゴと縄跳びの二重とびと鬼ごっこ。二重跳びは8回連続でできる!


稲島:え〜!!凄いね!!!(笑い)


稲島:ピアノの表現に活かせそうと思った経験はありますか?


笹森:逆に稲島先生のお話も聞きたいですね。


稲島:自分のすべての経験がピアノの表現に生きてきますよね…私が音楽以外で好きなのは食事と、人と交流して人脈を広げること…その2つは凄く大事にしているし、そこから得るすべての経験が生きているなと思います。難しい質問でしたね…!(笑い)


滉杏さん:音色で考えると、アノネの強化合宿で楽譜に色づけをしたことがあって、学校で絵を描くときに、それを思い出しました。まず線を書いて色をつけるとき、ピアノで表現をする時と同じように考えて色づけしました。


笹森:へえ〜面白いね!強化合宿、面白かったよね。今は中々難しいけどまたやりたいね…


笹森:稲島先生はゲームをしていましたか?


稲島:ゲームはやっていましたが、時間は特に決まっていなかったので、自分でここまでにしておこうと決めていました。


笹森:さすがです。稲島先生は自分で自制できるタイプですもんね…!

滉杏ちゃんは、自由時間がないことに関しては、もう少し遊びたい、ゲームしたいと思うときはないんですか?


滉杏さん:学校から帰ってきておやつタイムのときにゲームしています。もう少し遊びたいとは思います。


笹森:なるほど。先生も時期にもよるけど週8ぐらいでやっていたから良く分かるよ!(笑い)

先生のお家は、おやつもゲームも一切だめで、テレビも週に30分まで。サッカー、塾(国語、算数)、家庭教師(英語)、水泳、チェロ、ピアノ、オーケストラ、絵画教室…


お母さま:え〜〜!凄い!!(笑い)水泳は体力取られますよね…!


笹森:そうですね〜車移動の時はよく寝ていましたけども、中学校に入ったら、音楽高校に行くために、音楽の習い事のみになったのですが。

同じような環境でアドバイスができるとしたら…周りを見てうらやましいこともあると思うけど、小中高頑張ってきた人の方が、大人になって好きなことができると思うんだよね。先生もゲームもしたかったしテレビも見たかったけど、その時間がんばってきたことが本当に今になってよかったなって思ってるよ。大人になってももちろん頑張らないといけないけど、大人まではあと10年だよね。大人になってからは40年以上とあるからね。滉杏ちゃんにとっては大学生まで長いと思うけど、あっという間だからね。今頑張っていたら、大人になって好きなことができると思えると、いいと思うよ。


▼滉杏さん、お母さまから先生たちへの質問

滉杏さん:学校では何して遊んでいましたか?


笹森:小学生のころは昼休みや中休みはサッカーをしていたよ。

全然遊べなかったわけではなくて、先生の学校は終わった後に、そのまま遊べたんだけど、ゲームを持っていなかったので、いかに友だちを外遊びに巻き込むかということに必死だったかな。


稲島:私は音楽室に行って、友だちからリクエストされた曲を弾いたり、あとはバスケやサッカー・ソフトボールとかをやっていたかな。


笹森:先生運動できるんですか?(笑い)


稲島:学生の頃は好きでしたね〜突き指を気にする人もいますが、あまり気にしていなかったですね。


笹森:突き指は、色々な考え方があると思っていて。先生は毎回突き指になっちゃう人って、あまり楽器を上手く弾けないんじゃないかなと思って(笑い)

何事も経験して、器用にこなせるように成長していくことが大事だから、もちろん指を大事にして無茶しないようにすることは大事だけど、あんまり意識しすぎて何もしないと、逆にせっかく手に入れられる、指先の感覚もなくなっていくと思うんだよね。音色って指の先の力加減によって、音の色が変わるじゃない。何十種類、何百種類と弾き分けができるようになる。音色の違いが分かるようになるためには、たくさんピアノをタッチした人だけが手に入れられる感覚なんだよね。初めからは分からない。他の人の演奏を聴いても、音量とか音色とか最初は違いが分からないと思うんだけど、だんだんと違いが分かるようになっていくよね。それは、才能があるかないかではなくって、たくさんピアノに触れて、音楽を聴いているかどうかの差なんだ。感覚は使わないと発達しない。運動音痴の人も、運動してないだけで、運動をたくさんしてトレーニングすればある程度のところまではいける。という意味で、先生はたくさん色んなことを経験をした方がいいと思っているんだ。



お母さま:進路について音楽大学から進むのか、音楽高校から進むのか。それを自分で決めたのか、親が促したのか、どのように決めたのですか?


笹森:滉杏ちゃんは音高に行きたいという気持ちはありますか?


お母さま:音高に行きたいという気持ちはまだ無くて、音高から始める道があることは最近知りました。


稲島:小学5年生から習い始めた先生が、私が出た高校と大学を卒業されていて、桐朋に行くということはその先生に付き始めてから意識はしました。中学2年生のころにプロのピアニストになると決めたため、そのころは高校から行こうという自分の意志ははっきりしていたと思います。


笹森:私も小学6年生から桐朋のチェロの先生に就いて、小学1年生からピアノと並行してやったときに、ピアノとソルフェージュはセットだった。気付いたら桐朋に受かるような準備だったり、あなた桐朋に来るんでしょという感じになっていて、中学のころには自然にそこに行くものだと思っていました。行きたいと思ったときには環境が整っていたということがありました。中学校からさらに音楽理論とかソルフェージュをさらに準備をし始めました。


ただ一方で例えば音楽の専門学校にはいることを目的にしてしまっている人がいます。そうなると入学がゴールになってしまう人もたくさん見てきました。だからこそ今の滉杏ちゃんみたいに自分がこうしたいということを、その年齢で明確に言えるというのは凄く良いと思います!



さて、インタビューありがとうございました。まだまだ話たりませんが今回はこの辺りで終わらせていただいます。アノネ音楽教室のスタッフ一同、今後も滉杏ちゃんの活躍を楽しみにしております!

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